「第4回とメはね」を前に:2020.03.12.

墨亭で結成された新ユニット?「とメはね」の公演も一回りしました。一回りしたというのは、瀧川鯉丸、春風亭昇吾、柳亭信楽の3人で始めた会で、それぞれが交代でトリを取ったということ。振り返ってみると、それぞれがそれぞれの出番で、それぞれの持ち味を出し得てきた公演だったと思います。

そんな3人を見てきて思ったのは、墨亭から近い平井に住んでいた八代目橘家圓蔵師が口にしていた言葉です。

圓蔵師匠が昭和50年代に「落語四天王」の一人に数えられ始めて以降、自分を含めて3人の特徴を、「志ん朝さんはうまい落語家、談志さんは達者な落語家、自分は面白い落語家」と、よく話していました。ここに五代目三遊亭圓楽師匠が入っていないのは……。その内、墨亭講座で話しますw。

落語家歴こそ違え、鯉丸、昇吾、信楽の3人もそれに当てはまるなあと半年お付き合いをしてきて思ってきました。それを置き換えるなら、「鯉丸さんはうまい落語家、信楽さんは達者な落語家、昇吾さんは面白い落語家」です。本人たちにしてみれば「違うよ!」と言うかも知れませんが、3人の掛け合いや噛み合い方、そして高座を聴いていると、そう思わずにはいられません。

ただし、このたとえはあくまでも「今」のもの。

もしかすると、うまい・達者・面白いが今後入れ替わるかも知れませんし、3人が同じ形容句を頭に付けるようになるかも知れません。そして今のたとえが崩れてきた時、また楽し気なユニットになるのだろうと期待をしています。

未来の話をしていると、鬼が馬鹿笑いするかも知れません。まずは第4回の「とメはね」にお付き合いいただきければと思います。

今回は初の平日夜興行。そろそろ向島は花の季節。まだ開花は先のことですが、春の薫りを愛でながら、墨亭での「とメはね」を味わいにいらっしゃいませんか?

ただし、昨日も記しましたが、このご時世ですので、体調等とご相談されて、あまり無理をせずにご来亭いただけますこと、改めて深くお願い申し上げます。(雅)

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