2020.03.15.墨亭に港家小ゆきがやってくる!

開亭一周年を前に、向じま墨亭に浪曲(浪花節)が初登場です。

お迎えするのは、港家小ゆきさん。

女性をつかまえてこんなことを記すのはなんですが、かっこいいですw。

昨年、二度ほど仕事で一緒することがあり、それまで接してきた高座が印象的だったので、この人がいい!この人しかいない!ということで、口説き落としました。

師匠は港家小柳(2018年5月11日没、行年90)。この浪曲師がまた凄く、まず経歴の詳細が分からない。ある時、木馬亭に出向いた時に、今年お亡くなりになった根岸京子席亭が「ちょっとお兄さん(いつもそう呼ばれていた)、今度、小柳さんが帰ってくるのよ~」と言われ、帰宅してすぐに芝先生の浪曲名鑑を紐解いてバラバラにした位でした。

そんな小柳師匠が2015年にフォーク歌手の友川カズキとライブを開いたことがあります。二人の芸の持つ「土」観同士のぶつかり合いを体感できた会で、その力があまりに凄かったこともあって、日暮里から歩いて帰ってきたことを思い出します。

そんな師匠に惚れて、浪曲界に入門したロックバンドの元ボーカルが小ゆきさん。

師・小柳譲りの浪曲もロックもともに魂の叫びだけに、小ゆきさんの浪曲を聴くと、浪曲の原点に戻ることのできるような感覚を覚え、それが最初に記した「印象的だった」理由につながるのです。

先日、木馬亭で『最強主婦伝説~サラダ太閤記』なる新作を聴きました。これまで同じシリーズの『陰謀の赤ずきん』や『ひまわりマート戦記』は聴いたことがあったのですが、この『太閤記』は初めて。ライバルと思しきセレブママに対抗心を燃やすある主婦の心と言動のジレンマを描いた作品で、なるほど、これは浪曲の世界ではないか!と思った次第。(個人的には啖呵での「ママぁ、その後藤さんにレシピを聞けばいいんじゃない?」という身も蓋もないセリフに大笑い)

他にも『銀河英雄伝説』シリーズ(田中芳樹・原作)も凄い、らしい。…というのは、私はSF小説やアニメに詳しくないので、それを小ゆき作品として楽しんでいるに過ぎないのですが、知り合いの『銀河英雄伝説』に聴かせたところ、「見事に浪曲という芸能で、あの世界を描いていた!」と、浪曲に詳しくない者が口にしていたのだ。

勿論、古典も演じますが、今回、墨亭では何を聴かせ、何で魅せてくれるのか。大いに期待というより、大いに楽しみにしているところです。浪曲に接したことのない方でも楽しめるはずですので、お越し下さい。

とは言え、このご時世です。体調等とご相談されて、あまり無理をせずにご来亭いただけますこと、深くお願い申し上げます。(雅)

※写真は「古今亭菊志んThe東京マンスリー・その3」(2019.06.30.)の高座から 。ちょっとネムいけどごめんなさい。

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