2020.1.26.「第2回 とメはね」←絶賛!w
長生きしなきゃなあと思った会でした。
若手の可能性と、高座を聴いていて、振り幅がまだまだまだある、それでいての充実感。
落語芸術協会の二ツ目三人による「とメはね」は、そんなことを感じさせるユニットです。
ユニットの名の由来は、前回の高座での報告と今日のパンフレットにも書きましたが、会場の名に「墨」が入っていることから「習字」をイメージ。習字とくれば「トメ・ハネ・ハライ」。なので「とメはね」。「ハライ」がないのは、「払い」はみなさま方のお役目ということだそうでして……。そう言えば、何故「メ」だけがカタカナなのかを尋ねるのを忘れていました……。
ちなみに、12/6の立ち上げ公演は、柳亭信楽『尻餅』、春風亭昇吾『錦の袈裟』、瀧川鯉丸『ねずみ』。今回はというと、瀧川鯉丸『五人男』、柳亭信楽『風呂敷』、春風亭昇吾『無精床』でした。(出演順)
芸協さんの頼もしく、かつ逞しく感じるところは、先人が大切に演じてきた新作落語を、若手が引き継いで演じていることです。
『五人男』と言えば、芸協の会長職を務めた五代目古今亭今輔師の作で、近年では三遊亭右女助師匠や三遊亭小圓馬師匠、三遊亭右紋師匠がトリなどで演じてたのを覚えています(拙著『落語の達人』をご贔屓に)。古典落語で言えば『一分茶番(権助芝居)』などで見られる、素人芝居の失敗談を描いた作品で、芝居好きのお店の連中の楽しさであったり、いい加減さであったり、勿論、芝居をやりたいんだ~!という思いがあちこちから感じ取れる、人物描写の巧みな鯉丸さんらしさが出た、鯉丸さんに似合った一席でした。
柳亭信楽さんは、今風に言う、イケメン落語家(?)の一人。ちょっと刺激的な体験談マクラをたっぷり振ってからの『風呂敷』。次回の打ち合わせをしていたりで、実は捨て耳の捨て耳で聴いていただけなのですが、ドタバタ騒動を起こす人々が生き生きとしているところは、師・柳亭楽輔のいいところを継いでいて、明るさとそのテンポを生かし得る軽快な口跡が信楽さんの魅力だなあと感じさせた高座でした。
トリは春風亭昇吾さんで『無精床』。最近、落協や芸協の寄席でも聴くことが少なくなったと感じる噺です。昇吾さんの落語は、与太郎であったり、騒動に巻き込まれる人物に個性があふれ出てきます。『無精床』は、現・文治師匠からのものと聴いていますが、今日の高座を聴いていると、先代文治師匠の『無精床』を彷彿とさせるような、賑やかで笑いをそらさない出来でした。勉強会だからのトリネタ。『無精床』のような噺で、将来、トリを取るのも面白いでしょうし、間に挟まっての15分で聴かせるネタとしても、昇吾さんの将来の武器になる一席だなあと感じさせられました。
終演後は二回目の公演にして、既に、恒例となった写真タイムとアフタートークを。
次回は2月26日(日)11時開演。是非とも「とメはね」を支えていただければ幸いです。
うむ、次回が最早楽しみだ!(雅)
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