2020.02.16.「昼の二ツ目の会~神田紅佳の会」
かなり以前から韓国文化に強い興味を持っているものの、普段なかなかそんな話をする機会がありません。今、ちょっと仕事を進めている韓国映画についても同様で、今年に入って、ポン・ジュノ監督の『パラサイト』がアカデミー賞を受賞したことがきっかけで、映画について興味を持ってくれる人が増えてきたかなあという思いでいます。
最近の両国の関係性からすれば、近くて遠い国・韓国。
その文化であったり、暮らしの話ができる少ない知人が、韓国で暮らしていたこともある神田紅佳さんです。どこまで記していいのか分からないので詳細は控えますが、韓国好きの私からすると、実生活をしてきた紅佳さんの話は刺激的で、2~3年の間、ソウルに暮らしたいなあと思わせる程です(笑)。
福岡に生まれ、今は向島に暮らしている、そんな紅佳さんの高座からは、いつも元気をもらっています。高座に上がると、パッと客席が明るい雰囲気になるのは、芸人さんとしてプラス要素なところで、このあたりは師匠であり、やはり向島に暮らしている神田紅先生の芸譜を継いでいる証かと思います。
墨亭では2回目の会となるこの日は、一龍斎貞奈さんが前講を務め、『大久保彦左衛門「木村の梅」』を。男性の声と雰囲気の両方をいかに出していくかは課題ですが、どこかで記すかも知れませんが、次世代を支えていくべき講釈師の候補であることは間違いありません。
紅佳さんは中入りを挟んで、『実録長谷川平蔵』と『扇の的』の二席を。
長谷川平蔵は江戸時代の中・後期に火付盗賊改役頭を務めた人物して、池波正太郎による時代小説『鬼平犯科帳』の主人公として知られるところですが、その舞台等で、ご当地墨田区とも深く関係する人物です。その平蔵をどう描いていくのか。これは一度、高座で聴いてもらいたいところです。
『扇の的』は、過日、人間国宝に認定された神田松鯉先生に教わったという話で、平家側が用意した的を、源氏側から選ばれた那須与一がどのように射貫くかを歴史的視点からも描いた作品ですが、やはり明るさが信条。紅佳さんが今後この話を、自分的な考えを交えながら、どのように描き深めていくかが楽しみなところです。
実は私にとっては、開演前や休憩時、そして終演後に、出演者と話せるのが役得でもあり、楽しみであったりします。紅佳さんには、上記した共通する話題もあることで、ある話の講談化を提案してみました。私が台本を書ければいいのでしょうが……。
紅佳さんには、また5月ごろにご出演を依頼しようと、強く思っている次第。墨亭に出演される講釈師に、是非、注目して下さい!(雅)
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