2020.02.05.「第2回金原亭馬太郎の会」

二ツ目から真打になる時よりも、前座から二ツ目になる時の方がうれしかった!と、よく若手の落語家さんから聞くことがあります。「這っても黒豆」の前座時代の厳しさから解放されたことのうれしさ故のコメントなのだと思います。

聴く側にしても、色々な噺に挑戦し、様々なシチュエーションで落語を話していこう!という強い気概が見える、前座から二ツ目に昇進してすぐの落語家さんの姿が大好きで、そういう人に出会うと、やはり応援したくなります。それが前座時代からお世話になってきた落語家さんであれば尚更です。

今回の主役である金原亭馬太郎さんはその一人で、今日のパンフにも記しましたが、昨年の12月に墨亭で初めての「馬太郎の会」を開いた時に、終演後に「開いてよかったなあ~」と思ったのは、そういう理由からでもあり、馬太郎さんの噺に対する貪欲な(勿論、いい意味で)高座を前にできたからです。

そして、2回目となる今回も同じような気持ちになりました。

演じた落語は『権助魚』『看板のピン』、中入りを挟んで『寝床』を本来のサゲまで。

前半の噺は寄席に向いた噺ですが、まだまだ伸びしろがあることを感じ、実戦を積んでいく必要があると「も」感じました。大ネタである『寝床』は尚更で、人物の心情変化等を含めて、緩急自在に演じられるようになるまでは、まだまだ時間がかかるだろうと…。

でも、それでいいのだと「も」思っています。今から出来上がっていたらつまらない。自分に合う噺、合わない噺を感じ、ネタの取捨選択をするのはもっと先のことで、今は気になる噺を片っ端から演じるの「も」いいのだと思うのです。結局は手に負えなくても、仕込んでおけばいつか花開くこともあるでしょうし、今は得意にしていても、その内、身幅に合わなくなることもあるからです。

これは役得なのですが、高座前に馬太郎さんと落語についてあれやこれやと話をしています。その時にも「こんな噺をやってみたら?」とか、「この師匠にあの噺を教わっておいたら」とアドバイス?をするのは、それに応えてくれることを期待してのものであり、また、こちらの話を真剣に聴いてくれる馬太郎さんの意気込みを感じるからこそです。

墨亭での勉強会は、これからも偶数月の夜(19時15分開演)に行なうことが決まりました。次回は4月中旬です。予告通り?「あの噺」を演じてくれるのだろうと思っています。何の噺かって? それは4月の会で、馬太郎さんの噺に対する気合いを感じにお尋ねください。(雅)

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